ケア・アシスト・システム - 事例紹介 -

介護付有料老人ホームに入居されているAさんの場合

 Aさんは老老介護で認知症を発症、日常生活がままならなくなったために 介護付有料老人ホームへの入居を決断されました。 お子さんがいらっしゃらないため入居後、認知症が悪化することを心配された親戚の方 のすすめで本システムの使用を決められました。

 物がなくなった等の妄想があらわれてケアスタッフのなだめる言葉に耳をかさなくなったとき、 テレビ電話で信頼関係のある近親者の顔をハイビジョン液晶テレビに表示しながら会話することで Aさんを落ち着かせることができました。

 テレビ電話を活用して定期的にハイビジョン液晶テレビに近親者の顔を表示しながら会話をすることで ホームという閉鎖空間にいることによる疎外感を和らげる効果もあるようです。 また部屋の様子、本人の顔色を映像で見ることは頻繁に訪問することができない近親者にとって Aさんの精神状態、体調を知るうえでの手助けになっています。

 お見舞いのメッセージや写真を大画面に表示することも本人の気持ちを落ち着かせるようです。さ らに一日の生活リズムが乱れてきたときには時間を指定して食事、レクリエーション、就寝を促す ようなメッセージを表示することで生活リズムの改善を助けています。

 テレビ電話を使用しながら学習リモコンによってテレビ、室内灯を操作できるのでAさんが操作に 戸惑った時に手伝ってあげたり、寝てしまったときにテレビ、灯りを消してあげるといったことが 遠隔地からできます。

 設置しているパソコンにはキーボード、マウスがついていないために本人はパソコンが設置されて いることには気づかないようです。当初心配していた誤操作、違和感による排除、イタズラとい ったことはおきていません。パソコンは深夜に電源が自動的に切れ朝に自動的に起動します。 2011年夏の電力消費の削減時には午後の数時間はパソコンをスリープすることで節電にも対応しました。